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永田珈琲倶楽部・掲載

・サライ・


1997年1月9日



一杯の珈琲にこだわる店

贅沢な味わい・全国18軒喫茶店巡り


内容記事です。
焙煎臭は珈琲の香りとはほど遠く、煙の匂いだ。
何処の誰が、美味しい飲み物であることを発見したのだろう。
焙煎する店主達の背中を見ていると、そんな思いが頭を巡る。
焙煎の時間は平均で約20分〜30分、店主達はスコップを 片手に覗き窓から、仕上げの瞬間をうかがう。
10秒間違えば味が変わってしまう。経験と勘の使いどころだ。
【焙煎は、火という道具を使っての勝負。ひとはぜ ふたはぜの音、匂い、色の判断。 五感をフルに使います。】と『永田珈琲倶楽部』の永田政弘さんは言う。
 店主と豆との戦いがそこにはある。戦いというより無言のかけひきというべきか。静かで厳しい勝負だ。すべての店が最初から自家焙煎をしているわけではない。「珈琲が好き」から始まつて店を開き、自分て淹れるうちに様々なこだわりが生まれ、既成の焙煎豆では納得できなくなる。そして最終的にたどり着くのが自家焙煎という手段である。 店の味を左右する焙煎の作業は責任者である店主が行う。
他人が淹れることは許しても 焙煎だけは任せられない、というのが通常だ。
 焙煎の度合いは一般的に浅煎りのライトから深煎りのイタリアンまて8種類に分けられる。しかし数々の背中を見ていると焙煎する人の数だけあるような気がしてくる。

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