BAR-kaori
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このページの壁紙は、珈琲を抽出、撮影、表現した色合いです。

煎り人のかたらい・今月の香り・

1997年・ しもつき(霜月)・

珈琲を飲みながらちょっと”ひとこと”



    
かわいいカンガルーの袋に入って来ましたよ。

1997 November 's AROMA

風の音・時折り・寒い秋後半へ。
朝夕、肌寒い時多くなりました。
皆様、香りと共に今年の素晴らしい秋、満喫なさいましたか?
私は日々の中、つかの間ですがじっくり楽しめる年齢になってきましたので、楽し、たのしでした。
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今月の香りの珈琲
↑マリーバをグラスに入れて撮影しました。


 オーストラリアよりの
「オーストラリア マリーバ」です。

今月のこの珈琲豆もスポット的に手にいれることが出来ました。
私自身、今までこれがオーストラリアの豆だ、とうことで飲んだことはありませんでしたので、またまた楽しみです。
思えばこのインターネットの世界のおかげで、お店と同時進行で毎月珍しいもの、あるいはいろいろな焙煎方法を考えながらやっているわけですが、普通ですとマニアックな世界だけで終わってしまうのを多くの人達と共有できること嬉しい限りです。

さっそく説明に入りましょう。 
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まず皆様にはなじみが少ないオーストラリアコーヒーを、今回入荷豆が栽培されています「スカイベリーコーヒー農園」より説明する事に致します。
スカイベリーコーヒー農園は、オーストラリア東海岸のケアンズから内陸側に60km入ったマリーバの標高550mから600mのなだらかな丘陵に位置しています。栽培面積は80ha、年間生産量100ton。農園作業はほぼ完全に機械化された珈琲農園で、収穫期を除いて、栽培から精選まで、2〜3人で運営されています。
スカイベリーコーヒー農園では水洗から、精選、袋詰めまで農園内で一貫作業され、生産されたコーヒーは、ヨーロッパ(主にイギリス)、アメリカなどそのほとんどが輸出されており、中でもアメリカ市場では、希少性もあり、プレミアムコーヒーとして販売されています。
この豆の特徴と致しましては、写真でご覧のように比較的小粒で、味覚はやわらかな酸味と甘味がありバランスがとれていること、と説明書きには表現してあります。私の焙煎表現はどうなるでしょうか?
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参考:オーストラリアコーヒーについて
1788年に、イギリスからの船がブラジル500のリオデジャネロに水や食料の補給で寄港した菜にコーヒーの木を入手し、そのままオーストラリアのシドニーに持ち込んだのが最初だと言われています。
19世紀末に開催された「ロンドン博物館」にオーストラリアコーヒーは出展され、「オセアニアの雄大な自然が育んだコーヒー」とジャマイカに次いで高い評価を受けました。その後100年に渡りオーストラリアのコーヒー栽培事業は発展を続けましたが、高い人件費と労働力不足により国際市場での他のコーヒー生産国とのコスト競争力に太刀打ちできず、1900年代の始めには、崩壊寸前まで追い込まれました。
オーストラリアのコーヒーがその後、息を吹き返したのは、1975年に世界最大のコーヒー生産国ブラジル起こった大霜害によるコーヒー相場の急騰です。
オーストラリアは、これを契機にコーヒー豆の自動収穫機の導入やコンピューター制御による灌漑や肥料供給設備など、世界最先端の技術を珈琲農園の経営に取り入れ、再び珈琲栽培に乗り出したのです。

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今月の香りの珈琲豆です。
おもわずときめきが。


これが「オーストラリア マリーバ」です。

香りを求めて
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珈琲物語 
速報! Coffee Science Seminar
第一回・コーヒー・サイエンス・セミナーが開かれました。
9月26日に都内のホテルで多くの報道陣、業界関係者、講座応募者の方々の参加のもと行われました。
その内容を速報としてお送りいたしますが、内容的に長くなりますので10月と11月に分けて記したいと思います。
☆ 挨拶
☆グュエン・ヴァン・チュエン氏
「コーヒーと健康 〜 老化とガンの予防の観点から」
☆古賀 良彦 氏
「コーヒーの香りがもたらすリラクゼーション効果 〜 脳の働きに与える影響について」
今月は上記の挨拶とグュエン・ヴァン・チュエン氏 の内容をお伝え致します。

コーヒーはその昔、「薬」としてイスラム圏からヨーロッパ、そして世界中へと広がりました。日本に伝わったのは江戸時代ですが、その当時の文献でも、コーヒーの健胃作用や消化促進、利尿作用などが紹介されています。今でこそ嗜好品として、私たちの日常生活になくてはならない飲み物となったコーヒーですが、コーヒーに含まれる何百という成分は、魅惑的な味、香りを創り出すだけでなく、様々な効用を持つことが最近の研究でもわかってきました。
しかしその反面、まだまだコーヒーにかんする誤解が多いことも事実です。そこで、このコーヒーサイエンスセミナーを通じて「コーヒーが 健康的な自然飲料」であることを、正しく理解して頂くと共に、コーヒーの持つ可能性についてさらに皆様と共に考えていきたいと思います。
という挨拶文で始まりました。

☆グュエン・ヴァン・チュエン氏
「コーヒーと健康 〜 老化とガンの予防の観点から」
今月は上記方の内容をお伝え致します。
☆食生活と生活習慣病(成人病)とは密接な関係があることが知られている。ヒトの老化とガンも同様である。
ガン及び老化にはいろいろな原因があるがその中で活性酸素は重要な要因である。活性酸素種(OHラジカル、スーパーオキシド、一重項酸素、過酸化水素)は我々の日常呼吸している酸素が生体内で酵素作用を受けて生成される。活性酸素種は反応性、酸化力が強く、生体にとって異物とされるウィルス、細菌などを攻撃して、生体を守る役割もある。しかし、過剰な活性酸素が生成されるとこの活性酸素が生体内の細胞膜、タンパク質、遺伝子のDNAに作用し、老化・ガンにつなげると言われている。よって、生体内の活性酸素を適度に調節する事が望ましい。我々が日常飲用しているコーヒーはまさにこの性質を持っておりコーヒー中のクロロゲン酸、カフェイン酸、フェラル酸などが活性酸素の調節に寄与していると思われる。
また肉や魚の焦げをたくさん食べるとガンになるといわれているが、その理由はアミノ酸、タンパク質などを高温で加熱すると、変異源性、発ガン性のヘテロサイクリックアミン(HCA)が生成するためである。未加熱のコーヒー豆の抽出物(日常飲用しているコーヒー)はHCAの活性を強力に抑える。それ故に、コーヒー飲用はガンの予防にもつながる可能性がある。
毎日の食生活において、適量のコーヒー飲用はガンの予防にもつながる可能性がある。毎日の食生活において、適量のコーヒーを飲むことは、健康にとって良いかも知れないという推測が成り立つ。従って、今後コーヒーと健康との関連についてさらに科学的に解明していくことが必要だと私は考える。
と言う内容ですが、今科学的に目が向けられ始め、こういう講演会が催され始めた事は珈琲愛好家に取りまして非常に喜ばしいことです。


・・・・こもれび店にて
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