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かおりがいのちです
珈琲の新鮮さと言う言葉を聞いたのは、もう25年ほど前、ぽえむの主宰者でありました山内豊之氏からでした。その頃はまだ自家焙煎の世界には入っていないためはっきりとわからないまま過ぎていました。そのことの意味が今の時代本当に大事になってきました。本当に基礎的なことですが、野菜や魚やお茶と同じように珈琲も新鮮さが必要なのです。それは珈琲のいのちであります「香」りがあるからです。美味しく飲むための条件として豆を粉にするときに、周りに漂い、嗅覚を満足させる贅沢な瞬間の演出です。
又、美味しく飲むためドリップ器具を使ってたてるとき、一投目で行われる蒸らしの状態をうまくやるには、どうしてもふくらみが必要なのです。時間が経っていきますと、空気中の水分を吸収し段々膨らみがなくなってきます。勿論匂いもすえたようなものになります。このように時間経過と共に酸敗(身体によくありません)していくことは勿論ですが、抽出する段階での「蒸らし」と「濾過」という大変重要な作業の一工程が出来なくなるのです。この辺のところがよくわかりませんといつまで経っても先で(抽出論)苦労する事になります。
次に芯まで煎り上がると言うことを御説明致します。どういう違いがあるかを列挙したほうがわかりやすいと思います。
芯煎り上げ、芯残りの違い[焙煎度二ハゼあたり] | ||
芯まで煎り上げ | 芯残り | |
↓ | ↓ | |
1 豆面ふっくら | → | 1 豆面が堅い感じ |
2 豆色赤味 | → | 2 表面黒ずんだ感じ |
3 豆の重さ軽くなる | → | 3 芯が残っているので重い |
4 豆挽く時かろやか | → | 4 豆挽くときガリガリと重い感じ |
5 抽出後透きとおった琥珀色で濁らない | → | 5 時間が経つと濁ってくる |
6 味的に安定し60度辺りでは苦み、 酸味、甘味等良い味が楽しめる。 |
→ | 6 低温になる程刺激的な味になり 添加物を入れないと飲みづらくなる。 |
上記のようにこの焙煎の段階での煎り上げ状態は新鮮さと並んで、抽出、味わいへの過程にとって大変重要な課題となってきます。ごまを煎る時などもそうですが熱を加えていく時、段階段階に応じて、炎を介した細心の注意が必要となるのです。その為に、どんな状態にもすぐ対応が出来る熱源の大きさ、焙煎機の懐の深さ(鉄板の厚さ、直火式等)が要求されるのです。力の弱い熱源ではしっかりした味は出来ません。
当店が手造りの範囲では管理の程良い、3KGと10KGで、鉄板を通常より厚めに設定した直火式焙煎機を取り入れているのはその為です。
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